古代ギリシャの科学
タレスは神話的思考の伝統から断絶し、「万物のアルケーは水である」と見なしたという。コスのヒポクラテスは経験主義的医学を生んだ。また徹底して根拠を求める思考習慣が、「論証」や「証明」を鍵とする、理論的形態の数学を生み出した。西欧的「合理主義」の源流はこのような思考形態に求められるともされる。
古代ギリシャの古典科学は、大きく分類して二つ(ないし三つ)の構成要素から成り立っているともされる。理論数学、および経験的自然学(とそれを基礎とした医学・医術)である。
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ここでいう理論数学とは、議論の出発点に諸原理(定義や公理)を置き、そこから何らかの命題が真であることを論証してゆく形態の数学のことであり、演繹的に命題群を証明してできた体系を「公理論的数学」という。このような数学を、キオスのヒポクラテスが体系づけはじめ、紀元前300年ころには、ユークリッドが『原論』を編纂し、集大成した。ユークリッドの『原論』を幾何学の書とするのは誤解であり、算術を含んでいた。当時の純粋数学は、離散量についての理論的学科としての算術と、数直線から構成される連続量についての幾何学を含んでいた。離散量を扱う算術の応用に音階学(現在の音楽)があった。当時すでに幾何学は平面幾何学と立体幾何学を含んでおり、立体幾何学の応用部門として天文学が存在していた。